2016年12月14日水曜日

SIMフリーとは?





今回は余りにも話題にされすぎて出涸らししかなさそうなこの話題
【SIMフリー】について書いてみたいと思います。


▷主要ワードのご紹介(コレを理解しないと始まらない)



SIM(SIMカード)
Subscriber Identity Module Cardの略称でその機能はサービス加入者の特定をするためのIDがICチップ内に記録されており、またIDと電話番号が紐付いているためSIMカードの差し替えによって端末間の電話番号移行が可能。
そう、携帯電話(スマホ)の中に入っているあのカードの事です。SDカードのことじゃないですよ。


SIMロック
基本的に携帯電話等や通信端末はSIMカードを挿すことで通信可能となるが、その端末に対し特定のSIMカードでしか通信できないよう制約を設けること。
例)docomoの携帯電話にはdocomoのSIMカードのみ使用可能、等


SIMフリー端末
SIMロックのかかっていない端末
端末は変えずに通信回線を変えることが出来る事が最大のメリット
ただし、なんでも挿せばいいって話じゃないんです(今回の話のメイン…のはず)


SIMサイズ
SIMカードには様々なサイズがあリ、端末に挿入可能なSIMサイズを選択することが必要
主要SIMサイズ→microSIM、nanoSIM


対応周波数(対応バンド)
通信端末にはそれぞれ対応する通信可能周波数があり、SIMカードがアクセスする周波数帯と一致していなければ当然通信不可能。対応バンドとも言います


3G・4G
通信技術の世代(Generation)を表したものですが現状日本においてはは4Gが主流になっており、前述の対応周波数(対応バンド)も3G/4Gそれぞれ別々で存在します。


MVNO
Mobile Virtual Network Operatorの略称。仮想移動体通信事業者。
簡単に言うとdocomo,au,Softbank等自社で通信基地局を開設、運用している事業者に費用を払い間借りし、自社ブランド名を付けサービス提供すること。所謂格安SIMがコレ。
新規に基地局開設してサービス提供するなんて正直無理→新規参入事業者がいない→競争が生まれず市場が朽ち果てる→MVNOで新規参入で市場活性


docomo系SIM、au系SIM
MVNO事業者が間借りしている大本の通信事業者によってdocomo系、au系と別れます。
が、世に出ている殆どのMVNO SIMはdocomo系であり後述する端末選びの際もdocomoの周波数帯(バンド)に対応しているかどうかが要になってきます。
尚au系SIMは現状mineo,UQ mobileの2社の模様



APN
Access Point Nameの略称。
通信端末がどこの通信事業者を介してネットワークアクセスするのかを識別するためのもの。
一般的にSIMカードを端末に挿した後、端末内設定にて通信事業者指定の各種設定を行う。
SIMカードは挿したら勝手に繋がりません。APN情報を入れてあげて初めてネットワークへのアクセスが可能になります。


▷SIMフリーとは?

前述のワード群を理解していればココから先は蛇足でしかありませんが、まずSIMフリーとは一般的にSIMフリー端末の事を指します。
これまでdocomo,au,Softbank等の通信事業者は販売端末にSIMロックを掛けることで自社SIMでのみ通信可能としていましたが、SIMフリー端末の登場によって端末に対し通信事業者を好きに選択することが可能になったわけです。

要は
【あの機種があるからあの通信会社に移ろう】という考え方ではなく
【端末はこれにしよう、通信会社はここにしよう】と端末と通信を分けて考える事が可能になったのです。

私個人としても通信事業者による端末抱き合わせ販売よりも端末と通信を分けてあった方が、より自分に合ったものを選択できるわけなので歓迎すべき大きな変化と言えます。
しかしその分、消費者はその選択をするに辺り知識を必要とするわけなのでこの知識の垣根を越えられるかどうかの最低ラインを順を追って書き綴って行きたいと思います。



1:SIMフリー端末を選ぶ

性能
デザイン
価格
固有の機能

等、端末選びは様々な要素がありますがSIMフリー端末で必ず見るポイントは

対応バンド
これに尽きます。
如何に気に入った端末であっても、利用予定のSIMで通信できなければ意味がありません。

※今回は有名所の端末例と、docomo系MVNO回線利用を想定してみます。

前知識
docomo回線における利用可能な周波数帯(バンド)
3G:1/6/9/19
4G:1/3/19/21/28
これらのバンドに対応していないと購入しても意味がありません。




ASUSのZenfone 3シリーズのZE520KLです。
公式HPには
JP version:
2G:
850/900/1800/1900
3G:
WCDMA: Band: 1/2/5/6/8/19
4G:
FDD: Band: 1/2/3/5/7/8/18/19/26/28
TD: Band: 38/39/40/41
とあり、docomoの主要周波数帯はバッチリカバーしていることが伺えます。
また最近流行りのDSDS(Dual SIM Dual Standby)対応です。




次に


HuaweiのP9 Liteです
公式HPには
FDD-LTE : B1/3/5/7/8/19/28
TDD-LTE : B40
W-CDMA : B1/5/6/8/19
GSM : 850/900/1800/1900MHz
とあり、こちらもdocomoの主要周波数帯をカバーしておりますが、
ZE520KLと比べるとdocomo回線利用における差は生まれないものの他の回線事業者を利用しようとした際の対応力はZE520KLに軍配が上がりそうです。海外渡航時等は考慮の必要ありですね。






最後に




ZTEのaxon 7です
この機種も最近流行りの2つのSIMスロットで同時待ち受けが可能(DSDS)な機種なのですが
公式HPにあるように
通信方式 スロット1
FDD-LTE: 2100(B1) / 1800(B3) / 900(B8) / 800(B19) / 700(B28)
TDD:2500(B41)
UMTS:2100(B1) / 800(B6) / 900(B8) / 800(B19)
GSM:1900MHz/1800MHz/900MHz/850MHz

キャリアアグリゲーション(CA) 800(B19)+1800(B3)

通信方式 スロット2
UMTS:2100(B1) / 800(B6) / 900(B8) / 800(B19)
GSM:1900MHz/1800MHz/900MHz/850MHz
とあり、2つあるSIMスロットそれぞれの対応バンドが異なりますので差し込むSIMには要注意。
またキャリアアグリゲーション(通信帯域を束ねて高速化すること)対応なのもポイントが高くLTE B3/19が同時に拾える場所であれば高速通信にも期待が持てます。




といった具合で、日本で発売されている各端末は大抵docomo回線利用においては心配要りませんが、上記の通り海外利用や他社回線を考えるとそこに差が生まれますので熟考の価値アリです。





2:SIMを選ぶ


端末が決まったら今度はSIMです。
人によっては端末より先にSIMかもしれませんが、今回はdocomo回線に対応した端末を選定してみましたのでそれを踏まえてdocomo系SIMを選んでみます。


SIM選びのポイントは
事業者
プラン(料金)
SIMサイズ



こちらも有名所を紹介してみます




OCNモバイルONE
おそらく、現状MVNO界隈で最も市場シェアを持っていると思われる。
docomo回線を利用したMVNOSIM。
私自身もかつて利用していましたが、比較的、安さよりも安心感を買う回線といった印象。






mineo
docomo回線もau回線も取り扱っている珍しいMVNO事業者。
mineoという会社はそのままに端末に合わせて回線事業者を選択できるのと多彩な独自サービスが強み





IIJmio
MVNO初期はとりあえずIIJにしとけば良いんじゃないか?という空気感すらあった有名所。
iOS用の構成プロファイル開発等、他の事業者には見られない技術的取組姿勢が見られる点などMVNO界隈を引っ張っていこうという心意気の感じられる事業者




といったところから選択、
先に選んだ端末に物理的に入る(合う)SIMサイズを購入します。

ZE520KL:nano SIM
P9 Lite:nano SIM
axon 7:nano SIM

まぁ・・・最近は皆nano SIMですよね。
しかし時々micro SIMなんてこともあるので要注意です。






3:開通作業

SIMを購入したら各事業者ごとに設けている方法で開通作業を実施します。
詳しくは各事業者HPを参考にしていただきたいのですが

一般的に

1.SIMを購入
2.webで開通登録 要:本人確認書類&クレジットカード等

ですが

1.Webから申し込み 要:本人確認書類&クレジットカード等
2.SIMが届いて利用開始

の流れもあります。下記HP等から申し込む場合はコレ
※既存の開通済みのSIMを使う場合は不要








4:APN設定

開通作業が完了したらいよいよ端末にSIMを挿し込みAPN(Access Point Name)の設定をして完了です。


例:OCNモバイルONEの場合(公式HPより)

APN設定情報
ユーザー名
mobileid@ocn
パスワード
mobile
APN
LTE端末用
lte-d.ocn.ne.jp
3G端末用
3g-d-2.ocn.ne.jp
認証方式
CHAP(推奨)/ PAP
MCC(または携帯国番号)
440
MNC(または通信事業者コード)
10
※英数字と記号は半角で入力してください。
※ユーザー名とパスワードは、OCN会員登録証などに記載のある認証IDと認証パスワードでも接続が可能です。



例:mineoの場合(公式HPより)

APN設定
mineo.jp
ユーザー名
mineo@k-opti.com
password
mineo
認証タイプ
CHAPを選択



例:IIJの場合(公式HPより)

APN
iijmio.jp
ユーザ名
mio@iij
パスワード
iij
認証タイプ
PAPまたはCHAP



APN設定が完了すると後は通信が出来る様になるのを待つのみ。






・・・というわけで、SIMフリーにまつわる一通りの主要ワードと、利用開始までの流れを記事にしてみましたが、この記事がきっかけで「あぁ~なるほどね」なんて理解できた方が増えてくれたら嬉しいです。
ただし、SIMフリーに関して一つ言えるのは兎にも角にも自己責任ということ。
通信事業者が面倒見てくれない代わりの自由なわけですから、そこを履き違えずしっかり自己責任でちゃんと調べて良いSIMフリーライフを送りましょう(o´∀`o)ノ